昼休み終了を知らせるチャイムが鳴り、俺は2-3の教室を出た。 俺には白石とその友達、の関係性がよく理解できなかった。 高1の時にが東京から来て、初めに友達になったんが白石なんは知ってる。 本人たちから聞かされた。 2人共、同性の友達がいない訳ではない。しかし、だ。気がつけばあの2人はいつも一緒にいるのだ。 昼休みも一緒に昼を食べているみたいやし、下校時間が重なれば一緒に帰る。 更には休日まで2人で出かけているのだから、それは「付き合っている」と呼べるんちゃうやろうか。 今度の日曜日に出かけるのなんて完璧にデートやろ。 現にあの2人は付き合っているという噂も立っている。いや、立っていた、と言うべきか。 以前誰かが本人たちに「お前ら付き合ってるんか?」と聞いた事があった。 その時白石が「俺らは親友や親友!な、?」とあまりに清々しく答え、 も「そうだよー!まぁ私は親友じゃなくてただの友達と思ってるけどね!」と冗談混じりに返せば、 それから誰もその話には突っ込まなくなった。 その後白石が「親友と思ってたん俺だけやったんか!蔵ノ介悲しいわっ!」と泣き真似をして、2人で漫才を繰り広げていた。 (つか白石そんなキャラやったか?) ただ、俺にはどうもそれは何かを隠してるようにしか見えんかったんや。 お互いが意識してないとしても。 「まぁ俺が突っ込む事でもないっちゅー話や…。」 ぼそりと呟いた独り言は、誰に聞かれる事もなく午後の授業が始まる前の雑踏に消えて溶けた。 ← → 2011.6.4