〜」

「何?」

「愛してる」

「は?」



いつものように慎吾と屋上でお昼をとっている途中。

いきなり何を言い出すかと思えば






愛してる?







「『は?』?それが彼氏に対する反応?もうちょっと『私も愛してるわっ!』とかさー。」



慎吾、その女言葉言っちゃ悪いけどきもい。



「なんで急にそんなこと言い出したの?」


そんな慎吾を軽くスルーして私は言う。


「いやぁ、教室で女子が『愛してる』って遊びで言い合ってて。どんな反応するか面白そうだから言ってみようかと。」



……なにそれ。

そんな言葉、遊びで言う?

慎吾のクラスの女子も女子だけど、慎吾も慎吾だ。

そんな軽々しく言っていい言葉じゃないでしょ。

だって、そんなに何回も言ったら……



さーん?どうしたんですかー?」

急に黙り込んでしまった私を心配したのか、慎吾が顔をのぞき込んできた。

「もしかしてもっかい言って欲しかったり?」



そう聞かれた私は言葉を詰まらせてしまった。

「ん?どうした?」

「……笑わないで聞いてくれる?」

「おう」



少し深呼吸してから、私は言った。




「だって……そんなに何回も言ったら…愛がなくなっていっちゃうような気がして。」



うわぁ我ながら恥ずかしい。

でも、これが正直な気持ちだから。



……慎吾、どう思ったかなぁ?

バカにされる?

笑われる?



そう思いながら、恐る恐る慎吾の顔を見ようとした。







けど、気付いたら後ろから慎吾に抱きしめられていた。


「慎、吾……?」

「お前、かわいすぎ。」



誰か来たらどうしよう、そう思って抵抗してみるも慎吾が私を離す気配は全然ない。



「ごめんな。お前がそういう風に思ってたなんて知らずに。」



そう耳元で囁く慎吾。

その言葉と息づかいがなんだかくすぐったい。



「…わかってくれたらいいよ。」



今まで誰にも言わなかったけど、慎吾になら言えた。

慎吾はわかってくれた。



「じゃあ一言だけ言わせて?」

「なに?」



慎吾は私に尋ねると、一拍おいてから優しく、こう囁いた。





――愛してる。」










あとがき
激甘!そして短い!
遅くなってすみません(泣)
こんな慎吾でよろしいでしょうか?
気に入っていただけたら幸いです。
癸翡翠さまのみお持ち帰り可です。

2008.7.16 高海莉玖